Works/ Yuming Studioの仕事
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空き家の改修#1
1階に和室が三つ、2階にも和室と洋室、一つずつと部屋数は多いが、
台所兼食堂はこじんまりとしていて、そんな昔ながらの間取りの家。
個室を一つ減らして、広めのLDKを設けたらどうですか?なんて提案を最初にしましたが、あえなく却下。
家族や親戚が集まっても、みんなの居場所があるようにというお気持ちを尊重して、プランニングしました。
実家の旅館業を手伝っている関係で、山形から鶴岡に戻ってきている方のご依頼でした。

予算の関係上、窓や窓枠は既存のままで再利用。
それらとケンカしないよう、天井材や壁の色はなるべく自然界の色に近づくようにトーンを調整しました。
床材はパイン(マツ系)の無垢材の上に自然塗料である蜜蝋ワックス仕上げ。
高価なイメージのある無垢材ですが、こちらは一般的なシート張りのフローリングよりも、もの自体は安価です。
シート特有のパキッとした質感がないので、既存のものと並べても違和感が生れません。

生活を支える設備機器は水道、電気の全体を一新しています。
壁付キッチンとダイニングスペースの間には、家電収納兼カウンターを造作して、ゆるく区切る。
これから置かれていく家具と調和するように、ミニマルなデザインにしています。
建具も建具屋さんにラワン合板のフラッシュドアを製作してもらいました。
既製品にはない、マットな質感とザラっとした手触りがあります。

一番丁寧に設えてあった和室は、壊さずに内装だけを整えました。
壁の色は黄色っぽい鼠色に綺麗にしてと床の間はアクセントでピンク。
好みを聞きながら、トーンを揃えて決めていきました。
実は洋室にする予定が、コストダウンで削られた結果なんですが、
残してよかったなあと。

玄関戸、ベンチも既存のものを残しています。
腰掛けるのはもちろんのこと、観葉植物や装飾品をかざるのにもちょうどいい。
柔らかい色味の壁、床であれば、既存のものも浮き立たずに調和します。

空き家の改修#1
設計:Yuming Studio / 橋本 皓正
竣工:2019年9月 工期:2019年7月~9月 種別:木造二階建住宅の改修工事
延床面積:146.29㎡(44.2坪)
外部仕上:既存仕上げのまま
内部仕上:床/パインフローリング蜜蝋ワックス仕上 天井/クロス仕上 一部ラワン合板の上オスモカラー仕上 壁/クロス仕上
設備機器:システムキッチン/TOTO ミッテ システムバス/TOTO サザナ トイレ/Panasonic アラウーノSⅡ 洗面化粧台/TOTO Vシリーズ

改修前
改修後
キッチン
和室1
和室2
和室3
和室4
洋室
玄関
ダイニング
キッチン
ROOM#1
ROOM#2
和室3
玄関+収納
ROOM#3
ROOM#4
1F
1F
2F
2F






改修前写真





